FXは副業として人気が高いのですが、FXを始めたからと言って全ての人が利益が出せるわけではありません。
それこそ、FX初心者でも勝つことはできますが「勝ち続ける」となるとまた話は変わってきます。
その部分を理解しないで多くの人がいきなりリアルトレードをしているので勝てないのも当然の結果といっていいでしょう。
けれども、だからといってFX初心者が必ずしも勝てないわけではありません。
そこには「負ける原因」や「勝てない理由」が存在するので、そうした本質的な部分を改善することが出来ない限りずっと勝てないままなのです。
しかし、今回はこのようにFXで勝てない理由を一つ一つ説明していくので、何度も読み返して腑に落として欲しいと思います。
決して楽な道のりではありませんが、その道のりを超えたその先に【一生のスキル】があるので頑張っていきましょう!
FXが流行した理由とは?
FX(外国為替証拠金取引)は株よりも少額から始められるため、主婦を中心にFXブームが巻き起こっています。
レバレッジ倍率も高めで、少額でも多額の資産運用ができる為、上手く波にのれば短時間で大きく稼ぐことも可能です。
株は売る人と買う人がいて初めて取引が成立しますが、FXは売り注文、買い注文共に注文を出せば、ほぼ即時約定します(重要指標後等の値動きが荒い場合を除きます)
その為、FXには素早い判断と決断力が求められますが、取引時間が長く、休日を除くほぼ24時間取引可能の為、空き時間でちょっとお小遣いを稼ぐことも可能であることから主婦層を中心に人気が出たのです。
FXは稼げる?!勝てない人が錯覚に陥る理由
FXは一般には短期トレードといわれていますが、スワップ金利と呼ばれる金利狙いで預金代わりに長期保有する人もいます。
しかし、スワップにはマイナススワップも存在するので、取引通貨によっては毎日、金利を取られるものがあります。
マイナススワップの通貨ペアは長期保有には向かないので、必然的に短期トレードとなるのです。
しかし、FXは取引する通貨ペアによってはかなり値動きが激しいものもあり、大きく稼げる可能性がある反面、すぐにロスカットされてしまう危険があります。
逆に値動きが小さい通貨ペアは大きな損失が出にくい反面、ロット数をあげないと短期間で大きく稼ぐのが厳しいです。
つまり、FXはリスクを冒せば冒すほど大きく資産を増やせる可能性がありますが、少額なら堅実に増やせる可能性も高い、ということです。
ですので、ギャンブルトレードは推奨しませんが、自分に合ったトレード手法を見つけることが大切です。
FXで勝てない人のちょっと怖い話
FX取引を始める前に、ちょっとFXの怖い話を聞いてください。
FXは主婦を中心にブームになったという話をしましたが、その多くの人が残念ながら現在はFX相場から退場しています。
最盛期は勉強会やセミナーが頻繁に開催されており、1日で10万円の利益が出た話や、資産が1,000万円を突破したなど景気のいい話で盛り上がっていました。
確かにその頃は景気も良く、素人でも勝ちやすい相場でした。
毎日簡単にお金が増えていくのであればもっと儲けたいと考えるのは、ある意味、自然な事です。
そして中には、退職金やマイホーム資金などを証拠金に突っ込んで、文字通り全力取引をする人がでてきました。
しかし悲劇は突然訪れました。世にいうリーマンショックです。
リーマンショックは2008年9月15日に発生したリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことに端を発して発生した金融危機です。
この出来事で全通貨が激しく変動しました。
今までにない値動きだったのでロスカットという言葉は知っていても、すぐにロスカットできない人が続出しました。
あまりの値動きにどうしたらよいかわからない人や一瞬でロスカットされた人など様々ですが、一時的に利確のリバもあり、もしかしたら回復するかもしれないという期待がロスカットを遅らせた要因の一つであったかもしれません。
FX相場から退場するきっかけになった出来事はリーマンショックだけではありません。
- スイスフランショック
- チャイナショック
- ブレグジット
- 米国大統領選挙
これら出来事によって何千万という大金を失った人を私は知っています。
通常ポジションを持つ際、突発的な出来事があり、相場が急変しても損失を押さえられるように、ロスカットラインというものを設定しますが、大金を失った人の共通点としてはその「損切り設定」をしていなかったからです。
24時間パソコンの前にいるわけにもいかないので、目を離す際は損切り設定が必須といえますが、この設定すらしないで取引をしていた人は「破産」という最悪の結末をまねくことになってしまったのです。
証券会社は投資家の保護の為、証拠金が一定の数値を下回ると追加証拠金を要求します。
これは追証と呼ばれ、期日までに入金ができないと全てのポジションが強制決済されてしまいます。
また証拠金が50パーセントを下回るような大きな損失を出した場合、多くの証券会社では即時強制決済(ロスカット)を行っています。
この強制決済に引っかかり、多額の損失を出してしまった人も続出しました。
これはニュースでも大きく取り上げられ、FXを知らない人にはFXイコール怖いというイメージがついてしまったかもしれません。
また、旦那に内緒でFXをやっていた主婦たちが大きな損失をだしてしまったので旦那になんて説明しようか・・・。
というシーンが放送され大きな話題になりました。
こうしたネガティブニュースが出回った影響もあり、「FX」や「投資」は怖いイメージが定着してしまったと思われます。
ただ、リスク管理を行う事が出来ればそこまで損失が膨らむことがないのも事実なのです。
FXで勝てない人の特徴
一時的に資産が1000万を超えた人が一夜にして逆に借金を背負ってしまう…。
これは確かに怖いですが、これはギャンブルトレードをやっていた人の例です。
勝てれば大きく資産を増やせますが、負ければ大きく資産を減らしてしまう・・。
しかも相場がそのまま逆方向に動き続けると、ロスカットしない限り、最悪証拠金が0円になってしまいます。
FXを一発勝負で取引しようという人は、高レバレッジで行いますので、証拠金がなくなるのも一瞬です。
FXはトレンドつかむことが重要ですが、高レバレッジでギリギリの証拠金取引をすると、ちょっとしたノイズで簡単にロスカットされてしまいます。
ノイズで狩られていては分析もなにも関係ないので、ギャンブルトレードでは長期的に勝てません。
つまり、FXを怖いものにしてしまう人の特長として、
☑イチかバチかのトレードを行う
☑損切りをしない
☑高レバレッジで証拠金維持率ギリギリの取引をおこなう
☑証拠金に大部分の資産をつぎ込んでトレードを行う
などがあります。一つでも当てはまる人は注意が必要です。
ロスカット機能があるので、突発的な急激な変動さえなければ大損害という事にはなりません。
しかし、必要以上に証拠金を入れてしまえば損失額も大きくなるので、必ず余剰資金で行うようにしましょう。
そのお金を失うと生活ができなくなってしまうどころか、命の危機というお金で投資は行うべきではありません。
余剰資金以外で取引を行うと先に紹介した人々と同じ結末をたどってしまうかもしれませんからね。
FXで勝つ人と勝てない人の違い
先ほどFXで大負けした人の話を紹介しましたが、多くの人が損失を出している中でもしっかりと利益を上げている人たちがいます。
「FXのちょっと怖い話」で触れましたが、リーマンショックでほとんどの通貨が激しく変動しました。
そして勝ち組トレーダーも一時的に損失を出しました・・・が、その中でも利益を出すことが出来たのはすぐに損切りを行い、次のトレードに備える事が出来たからです。
激しい値動きの波にうまく乗り、利益を上げた凄腕トレーダーもいましたが、もっと堅実に稼いだトレーダーもたくさんいました。
そして昔は「有事のドル買い」という言葉がありました。
戦争や貿易戦争など有事の時はドルを買え!ということで有事の際はドルの価値が上がっていたのです。
しかし近年では「有事の円買い」になっています。
リーマンショック以降、円が買われると予測したトレーダーは先に円を買うようになったのです。
もちろん損切りを設定して。
結果、予想通り円が買われ、急速に円高が進む事になりました。
こういった分析を「ファンダメンタルズ分析」と呼びますが、ファンダメンタルズ分析は通常、中長期予測に使われます・・・
しかし、リーマンショックなど大きな出来事の場合、しばらくの間は押し目も少なく、一方向に動くことも珍しくないので、初動で波に乗る事が重要になってくるのです。
素人トレーダーがあたふたとしているときに、勝っているトレーダーはすぐに切り替え、次に備えています。
そして熟練トレーダーほど損切りを徹底しています。
損切りを徹底すればリーマンショックの様な大事件が起きても、すぐに次の行動を起こすことができます。
特に大きな含み損を抱えたままでは、ろくにポジションを持つこともできません。
無理をしてポジションを持てば、強制ロスカットの危険性が高まりますので、予期せぬ事態が起きた場合は、早めの損切りを行い、身軽にしておくことが重要です。
これが出来なければFXで勝ち続ける事は絶対に出来ないのです。
人の真似をすればFXで勝てる?その真実は…
インターネット掲示板や動画サイトを見ると様々な人が意見を述べていることが分かります。
インターネット掲示板ではリアルタイムに近い形で、“買った売った”、“儲かった損した”など様々な意見が書き込まれています。
中には「ここで入らないのは下手くそ」や暴落してから「だからいったのに」など煽ってくる書き込みも見かけます。
また、ある動画サイトではFXチャートが表示され、そこにリアルタイムでコメントが流れてきます。
そこでは「ココでL(ロング)10枚追加」や「○○だからこれ以上、上がらないよ」などリアルタイムならではのコメントで溢れているでしょう。
暴落、暴騰時は「ぎゃあああ」や「やったー」などのコメントであふれ、全員参加型の様な感覚に囚われますが、そこに書き込まれるコメントには注意しなければなりません。
なぜなら、彼らの発言には責任がないからです。
専門家の“それ”とは異なり、全く責任がないからこそ自由な発言をするのです。
それに比べて専門家は顔と名前を出し、その発言には責任があります。
けれども彼らも100パーセント的中させるのは無理ですが、あまりにも予想を外し続けると信用を無くします。
しかし、専門家以外の人達は匿名投稿しており、責任は何もありません。
ただ面白がって「100枚追加しました」とか「ここで(指値)全部1000万分利確するので下がります。逃げる方はお早めに」など、現実味のないコメントを残す人もいます。
しかも、悪質なコメントになると「速報!日銀総裁が緊急交代!」や「トランプ大統領、北朝鮮への爆撃を指示!戦争突入へ!」など悪質なデマを流す人がいます。
価格を変動させる目的で虚偽の噂を流すことは風説の流布と呼ばれ、罰せられることもあります。
インターネットが発達した現在ではだれもがSNSやブログ、インターネット掲示板で風説の流布を流せる環境になってしまっています。
しかもデマを流すことが違法と知らない人もいます。
匿名掲示板は嘘や作り話であふれていますが、面白い嘘ならOK!楽しめたから良し!という空気もあり、その”悪ノリ”を株やFXの世界に持ち込む人がいます。
一昔前は掲示板でもノリで殺害予告や爆破予告を書き込み、偽計業務妨害で逮捕される人がちらほらいましたが、最近では冗談でも殺害予告は逮捕されてしまうという認識が広まり、書き込みは見かけなくなりました。
しかし風説の流布に関しては、まだまだ認知度が低く、悪質なデマが蔓延っています。
ただ面白いからという理由でデマコメントをする人もいれば、自分が含み損を抱えているので何とか回復してほしい理由から「懸念材料が出尽くしたからココが底」「毎回ここで買って爆益!FX簡単すぎ!また追加しま~す」など…みんな俺がプラスになるまで売らないでくれーという心の声が聞こえてくるコメントもあります。
本題に戻ると禁止されているとはいえ、インターネットには嘘があふれています。
絶対上がる、これからまだまだ下がると強い言葉で言われるとトレード初心者の場合、流されてしまう恐れがあります。
私が見た限り、リアルタイムでコメントを読んで役に立つことはほぼないです。
先ほど悪質デマで上げた日銀総裁緊急交代があれば、速報より先に即座に相場が反応し、価格が激しく動きます。
どんなニュースでもそうですが、テレビやラジオ、インターネットよりも早く相場が反応するため、なにかあったとすぐにわかります。
そのあとに速報が流れても後の祭りです。
そのころには損切りまたは利確が済んでいる頃なので、へ~そういう原因で動いたのかくらいにしか思いません。
もちろん、変動理由を知ることは、今後のファンダメンタルズ分析に必要なので調べますが、コメントより先に相場が反応し、素早い判断が求められるので、コメントなんて読んでいる暇はありません。
余談ですが、ニュースが出た瞬間ではなく、前に出たニュースが要因で相場が急に動いたことがありました。
去年下旬、日本時間の日中に「トランプ大統領の側近にFBIが聴取開始」というニュースがでました。
大統領のスキャンダルとなればドルは勿論、各国通貨に影響が出ます。
しかし相場は特に目立った動きをせず、そのまま夜ニューヨーク市場が開きました。
こちらも目立った動きがないままでしたので、すでに織り込み済みだったのかと思いながら一時間程経った時、いきなりドルが暴落しました。
突然の出来事で、すぐさま損切りを行い、まだまだ落ちると踏んで売りを入れました。
落ち着いたところで利確をし、急落の原因を探りましたが日本のニュースサイトには特に目新しいニュースはなく、原因が分からずにいると、どうやらアメリカのテレビ局がドランプ大統領の側近がFBIに聴取されるというニュースを流し、それに反応したトレーダーがドルを売って円を買ったことが暴落の原因だと知りました。
なんで発表から十時間以上たったニュースに今更反応するのだと思いましたが、すべての人がニュースを知っている訳でなく、知ったタイミングで行動を起こすとこんなことになるのかと思い知らされた出来事だったのです。
つまり、相場の方向性はネットでも専門家でもニュースでもなく、「市場参加者が決める」という事です。
絶対にこれを忘れないようにして下さい。
【関連記事:知らなきゃ損!FX初心者が必ず覚えるべき○○理論】
FXで勝てない人の共通点と理由
経済アナリストや凄腕トレーダー、はたまた匿名掲示板にいる正体不明の誰か・・。
様々な意見や見解があなたにもたらされますが、最終的に判断するのは自分自身です。
インターネット上にある情報は有益なものも溢れています。
それらの情報を集め、総合的に判断できるようになると、自分のトレードに自信が持て、論理的に相場を判断できるようになります。
自分のトレードに自信が持てれば、もし相場が逆に動いてしまった時、損切りラインを明確に設定することができます。
そして自分のトレードに根拠が持てるようになる。
これは大切な事であり、長期間勝つうえで必須とも言えます。
FXは素早い判断が迫られる場面が多々ありますが、予想外の事が起きると判断が遅れたり、安易な損切りをしたり、自分のトレードを見失いがちです。
また、適当に持ってしまったポジションは根拠が薄いので、利確ラインが設定しにくく無駄なポジションになってしまいます。
しっかりと自分のトレードを確立し、予め、取引ラインを予測・設定しておくと対処もスムーズに行えるようになるでしょう。
スワップ金利で長期的に利益を得る方法
FXで収益を上げるにはキャピタルゲインとインカムゲインがあります。
キャピタルゲインとは価格の変動により収益を得ることです。
つまり「売買による価格差で収益を得る通常の取引」になります。
対してインカムゲインとは保有しているだけで収益を得られる方法です。
スワップ金利がこれにあたります。
これだけを聞くとインカムゲインのほうが簡単に見えますが、インカムゲインは全ての通貨ペアで使える訳ではありません。
また金利は雀の涙ほどのものから10パーセント近いものまで様々です。
当然、スワップ金利が高いものはリスクが高くなっています。
代表的な高スワップ金利通貨にトルコリラがあります。
トルコリラのペア通貨にもよりますが、10パーセント近いスワップ金利が付きます。
しかし、スワップ金利が高いという事はそれだけリスキーな通貨ということであり、スワップ金利につられて安易にポジションを持つと、一年以上一度もプラス圏にでないままなんて事もあります。
トルコリラはダラダラと上がり続ける、または下がり続けることが多いですが、まだまだ新興国通貨の為、突然価格が急変することがあります。
これは大統領の声明や国内情勢など要因は様々ですが、保有しているだけで利益がでるインカムゲインはファンダメンタル分析が重要でありますが、大統領声明やクーデターなど突発的に発生するものは日時の予測が難しく、そろそろ来るかもしれない・・・という漠然とした予測しかできません。
また予測できたとしても誰もが予測できるタイミングでは、我先にと注文が入るので価格が急変します。
しかも大量の注文が入るとスプレッドが急激に広がるので、乗り遅れると注文を出した価格から大幅にずれたところで約定してしまう危険性もあります。
スワップ金利狙いで長期保有を目指すなら、十分な証拠金、適切なロット数でポジションを持たなければ結局、損失を出すことになります。
新興通貨はとにかく不安定で将来価値が0になってしまう可能性もゼロではありません。
その中で国として成長性があると感じられれば、長期保有目的でポジションを持つのは大いにありだと思います。
ただし、必ず押し目で入るようにしてください。
価格が急変した時に慌てて入るのは危険です。最悪、天井や底付近でポジションを持ってしまいますから。
FXはキャピタルゲインが主流
FXは基本的に短期売買が基本ですので、海外は特にキャピタルゲインを重視しています。
その為、週末にはポジションを決済する人が多く、トレンドが発生していても週末には一旦落ち着くことが多いです。
また週末にポジションを決済する理由は相場がお休みの時、何か大きなニュースが出ると週明けに相場が開いた際、価格が大きく剥離して開始することがあります。
これを「窓開け」といいますが、相場がお休みの時は何もできないので、週末に大きなニュースが出てもいいように多くのトレーダーは休み前にポジションを決済します。
ちなみに窓開けに対して窓埋めという言葉があり、例えば窓を開けて上昇した場合、再度上昇するために一度下がり、窓が開く前の価格まで戻り、窓を埋めてから上昇しやすいという考えがあります。
そしてチャートが窓を開けた場合、必ず利確する人がでてきます。
トレードのタイミングをうかがっている人はもう少し下がってからorもう少し上がってから押し目でトレードしようと考えるので利確に押されぎみです。
そのまま窓を埋めに行き、トレードの機会をうかがっていたトレーダーが窓埋め完了のタイミングで一斉に買い注文なり売り注文を出すので、また逆方向に相場が動くわけです。
窓を開けたからといって必ずしも窓を埋めに行くわけではありません。
窓を開けて始まり、そのままの勢いでグングン伸びることも多々あります。
また窓埋め狙いで指値を指しておくと完全に窓埋めする前に価格が反転し、取り残されてしまう事があります。
取り残されるのがイヤで慌てて入ると、ろくな結果になりません。
チャートは大勢の人の売買で動いています。
窓埋めという皆が共有するトレードのタイミングですが、別に完全に窓を埋めてからでないとトレードしてはいけないという決まりはないので、ちょっと早めにポジションを持つ人がいても不思議ではありません。
そして、多くの人が分析用のツールを表示しています。
移動平均線やボリンジャーバンド、MACDなど人によって使うツールが違います。
これらのツールを使って行う分析をテクニカル分析と呼びますが、例えばボリンジャーバンドを使っている人は2σか-2σにタッチしたタイミングで入る人が多いので、窓埋め価格の少し前に2σないし-2σの線があれば、窓埋めを待たずして取引を開始します。
その為、大勢の人が使用しているテクニカル分析と同じ設定をすれば、波に乗ることができますが、皆に完ぺきにタイミングを合わせることは不可能です。
完ぺきにタイミングを合わせる必要はないので、ある程度余裕をもってうまく波に乗れるように備えておくと、場合によっては大きく利益を上げることができるでしょう。
FXの市場参加者は個人トレーダーだけではない
FX取引を行っているのは、個人トレーダーだけではありません。
それこそ、機関投資家と呼ばれるファンドマネージャーもFXも取引に参加しています。
機関投資家の資金力は個人トレーダーの比ではないため、機関投資家の仕掛けによって、相場が大きく動くことがあります。
例えば、急激な下落が起こると、狼狽売りが起こり、売りが売りを呼び、さらなる下落につながることがあります。
急激な下落が起こるとそれまでロングポジションを持っていたトレーダーも損切りや強制ロスカットによって強制的に売りに出されます。
これによりもう一段階下落することになり、ショートポジションを持つ機関は大きな利益を得ることができ、さらに安いところで今度は買いで入ることができます。
この狼狽売りを誘うため、機関投資家やファンドマネージャーはある程度価格が上がった時、一気に売りを仕掛けて、価格を急落させることがあります。
これは資金力があるからこそできる芸当ですが、珍しい事ではないため、不自然に上がりだしたら注意が必要です。
それは機関の売り仕掛け、買い仕掛けの前には反対の方向に動かすことが多いからです。
不自然に上がったり、下がったと感じた場合は、いったん様子を見ましょう。
なにか情報が漏れた可能性もありますし、機関の仕掛け前の挙動かもしれません。
そして暴落・暴騰が起こった際、慌ててその波にのるのは大変危険という事を覚えておいてください。
なぜなら、まず相場が急変するとスプレッドがかなり広がるからです。
これにより意図しないポジションで約定してしまう事があります。
波に乗ったつもりが、波が消えたところで約定してしまっては元も子もありません。
また、うまく波に乗ったつもりでも機関投資家は個人トレーダーの動きも見ています。
更なる価格変動を誘うため、今度は相場と逆に価格を動かし、個人トレーダーが損切りしたところをまたしても逆に動かすという力業を使ってくることがあります。
ですので、機関投資家の波に飲み込まれてしまうと個人トレーダーの力ではどうすることもできません。
チャンスとピンチは常に表裏一体です。
チャンスよりもリスクのほうが高いと感じた時は、無理せず静観が正解です。
値動きが落ち着いてからでも遅くはありません。
相場の格言に、
「落ちてくるナイフはつかむな。地面に刺さってから抜け」
というものがあります。
落ちてくるナイフとは下落の事を指しますが、落下中のナイフは更に落下する危険があり、怪我をしてしまいます。
その為、地面に刺さってから抜けという事ですが、地面とはチャートの底を指します。
つまり下落中には取引をせず、値動きが安定し、底に到達したと感じたら買えばよいのです。
一見簡単そうですが、底の見極めは難しく、底かと思ったらもう一段階下落したり、様子を見ているうちに上昇が始まり、置いて行かれてしまう事もあります。
その場合、仕方がないので取引は見送りましょう。
またチャンスは来るはずです。
【関連記事:初心者必見!インジケーターの王道NACDの正しい使い方】
FXで成功する人と失敗する人の“違い”
ここまでFXで勝ってきた人と負けてきた人の話を紹介しましたが、双方の特徴をつかめましたか?
FXに関する書籍は数多く出ており、様々な分析方法が紹介されています。
FXで多くの利益を上げてきた人たちも書籍を出していますが、手法は人それぞれです。
その中で共通して言われている事が二つあります。
「損切りの徹底」と「余剰資金でのトレード」です。
どんな分析でも100パーセント当たるものはありません。
しかし分析が外れたからといって何もしないでいるとずるずると損失が増えてしまう事があります。
分析が外れた時点で予想外の動きをしている訳ですのでその時は思い切って損切りし、分析をし直しましょう。
もしかすると自分の知らないところでなにかニュースが出たのかもしれませんし、日経平均やダウ指数に影響を受けている可能性もあります。
損切りしたら冷静に分析をやり直して、次の取引に備えましょう。
もう一つは余剰資金でトレードを始めることです。
生活資金をつぎ込んだ全力取引は心の余裕をなくし、利確は早め、損切りも早めという焦ったトレードになってしまいます。
利確が早いとせっかくのチャンスを逃してしまいますし、損切りが早すぎても損失が増えていってしまいます。
またチャートは取引通貨ペアだけ見ていればいいわけではありません。
例えばドル円で取引している場合でもユーロ円、ユーロドルなど関連通貨も見ておく必要があります。
円が売られなくても、ユーロが暴落しドルが大量に買われれば、ドルの価値が上がり、ドル円相場にも影響が出てきます。
同時に相場が動くこともあれば時間差で動くこともあります。
しかし、この時間差で動く時がチャンスなのです。
なぜなら、関連通貨が続落していれば取引通貨もまだまだ価格が動く可能性があるから。
けれども相場に100パーセントは無いので冷静に見極めて予測することを忘れないでください。
また、通貨ペアのほかにも日経平均先物、ダウ先物などのCFDも表示しておくといいと思います。
余裕があればマザーズやナスダックも表示できればいいですが、あまり画面が増えても、慣れないうちは混乱してしまいますので、少しずつ画面を増やしていき、慣れていきましょう。
さらにもう一つ、これは円が絡む通貨の話ですが、五十日と仲値があります。
五十日(ゴトウビ)と読みます。
つまり五の倍数の日を指しますが、この日は円が売られる傾向にあります。
必ず売られるというわけでなくあくまでも傾向にあるという事なので注意してください。
また、仲値は日本時間10時少し前を指します。
この時間の前後は価格が動きやすいです。
東京時間のドル円、特にこの仲値付近まではヨコヨコが多く、仲値で急に動き出す事がありますので、9時半くらいからは注意しておきましょう。
最後に、FXで勝つためには手法も含めたマイルールに沿って取引することがもっとも重要です。
ただマイルールに固執するのではなく、ある程度、臨機応変に立ち回る事も大切です。
色々な人の手法をただ真似るのではなく、自分なりにカスタマイズすることでそれは自分の手法になってきます。
自分に合ったマイルールを見つけ出し、トータルで勝てるように、堅実な立ち回りを目指してください。
そしてFXで人生が悪いほうに変わってしまったという事がないようにしてください。
勝ち続けなければ意味がありません。