FXは預けた資金以上の取引が出来ることで人気を集めていますが、必ずしもレバレッジを利用する必要はありません。
なぜなら、レバレッジをかけるメリットもありますが、その分デメリットも存在するからです。
特にトレード初心者であればそのレバレッジが逆効果になって損失を加速させる原因にもなりかねません。
そこで今回は『FXはレバレッジなしでも稼げるの?!』をテーマに扱って、FXとレバレッジについて考えていきたいと思います。
FXでレバレッジなしという選択
FXでは自分の証拠金だけで売買をすることも可能です。
必ずしもレバレッジをかけなければいけないわけでは無いので、もしあなたが大きな損失を出しているようであれば「レバレッジなし」という選択も視野に入れるようにして下さい。
FXでレバレッジをかける意味
口座に入っている資金は最大25倍までレバレッジを効かせられます。
このレバレッジを使えば、FXは少ない元手で大きな金額を稼げる可能性がありますが、反対に損切りやロスカットによって大きな損をするリスクも背負うので注意しなければなりません。
このように考えるとレバレッジは武器にもなるし凶器にもなることが分かります。
欲をかいて闇雲にレバレッジを効かせて自滅しないようにして下さいね。
レバレッジなしの取引
自己資金だけでFXの売買をすることがレバレッジのない取引になります。
【例】資金1万円で1ドル100円
✅レバレッジなし
1万円÷100円=100ドル分の取引
✅レバレッジ25倍
1万円×25倍÷100円=2,500ドル分の取引
このようにレバレッジを効かすことで、同じ資金だとしても25倍以上のお金を動かすことが可能になります。
すなわち、レバレッジを効かせば利益額も25倍になる可能性がありますが、同様にして損失額も25倍になる可能性があるということです。
ですので、レバレッジを無理に効かせる必要は無いので、トレード初心者の方はレバレッジなしも視野に入れることをお勧めします。
外貨預金よりもレバレッジなしがお得
まず日本円と外貨を両替する手数料は銀行とFXを比較するとかなりの違いがあります。
例えば銀行なら1米ドルにつき1円以上の手数料であるのに対して、FXは0.02円ぐらいです。
※銀行の両替手数料は5円以上もあります。
営業時間も銀行は昼間だけでFXは平日の24時間と圧倒的に差が出ており、その他にも外貨預金は満期まで利息が入らないが、FXは金利差のスワップポイントが日々溜まっていくなど、様々な違いがあります。
それに、外貨預金が預金保険の対象外でFXは信託保全で安心ということもあるので、外貨預金を選択している人ならばFXに切り替えてレバレッジなしで運用した方が断然お得だと言えるでしょう。
FXでレバレッジなしのメリット
今では「FX=レバレッジ」という印象を受けますが、レバレッジなしでもメリットはあります。
その選択をするしないは関係なく、まずはレバレッジなしのメリットについて理解を深めて見て下さい。
意外にレバレッジなしの方がいいかもしれませんよ?!
メリット①:ロスカットになりにくい
FXで強制的に行われるロスカットを避けたい場合は「レバレッジなし」が有効です。
例えば、レバレッジなしでの運用であればドル円なら20円ぐらい逆行されても耐えられる状態にできます。
レバレッジを効かせないことで、資金に対して余裕のあるポジションになるので、為替レートのちょっとした変動でロスカットが発動する可能性が低くなるのです。
メリット②:外貨預金と比べて安い手数料
同じ外貨を同じ期間持った場合でも、レバレッジなしのFXのほうが外貨預金よりも手数料を節約できます。
投資は手数料を安くすることが鉄則なので、よく比較してスプレッドが狭いFX会社を選びましょう。
外貨預金を目的にする人は為替変動による損失があることを念頭に置いておいてください。
メリット③:下落相場でも収益のチャンス
FXは外貨預金とは違って売りからエントリーすることも可能です。
実物の外貨を保有するわけではないため、仮にドル円でひたすらに下がっている場合でも素直に波に乗れます。
円高、円安のどちらの流れでもレバレッジなしのFXなら差益を狙えるので選択肢の幅が広がるでしょう。
また、ナンピンによる買い増しや売り増しも強い味方になるので、状況に応じて上手く活用してください。
メリット④:定期的なスワップポイント
2つの通貨の金利差であるスワップポイントをもらっていくのが、FXの長期保有の基本です。
年単位の大きなトレンドを読み、ゆっくりとポジションを持つことで、年利回り2%ぐらいの運用にできる場合もあります。
これは銀行の定期預金と比べれば10倍以上の結果!
単純に定期預金や銀行口座に預けているのであればレバレッジなしでFXに回した方がいいかもしれませんね。
FXの注意点
レバレッジを効かせないFXにもいくつかのリスクがあります。
これはレバレッジの有無に関係なくして「FX」に共通するリスクになるので、ご注意下さい。
注意①:大相場による乱高下に注意
為替レートは突発的に変動するので損切り無しでは大きな損失になる恐れがあります。
たとえレバレッジなしとはいっても安心せずに、最低限の損切りポイントを決めて運用してく方がいいでしょう。
ただ、長期的な資産運用であればそこまで気にする必要も無いかもしれませんが、長期時間軸でトレンドが発生したら戻るのに数年レベル掛かるので注意して下さい。
また、発展途上国では軍事クーデターのように現在の政権や統治の体制がガラッと変わるケースも見られます。
特に、高金利の通貨がある国は暴騰・暴落も多いので、通貨ペアは慎重に扱ってください。
注意②:スプレッドの広がり
手数料のスプレッドが広がっている状態で売買すると通常よりも不利になります。
特に経済指標や要人発言の前後は避けて、できるだけスプレッドが狭いタイミングを狙った方が無駄なコストを削減できるのです。
また、保有する通貨ペアが決まっている場合はスプレッドが狭いFX会社を選んだ方がお得になります。
しかし、スイングトレードのような長期的なポジション保有の場合はそこまで気にする必要も無いかもしれません。
注意③:スワップポイント
FXのスワップポイントも決して侮れません。
それは受け取る場合も支払う場合も同じですが、長期的に運用する場合は大きな金額となるので必ず意識するようにして下さい。
特にスワップ金利の受け取りを目的としている場合はFX会社によってもスワップが違うので、見比べた方がいいでしょう。
但し、それまで高金利だった通貨が政策金利の変更で下げられたら、相対的に差が縮まって反転する場合(受け取り→支払い)になる可能性もあるので注意が必要です。
実際にレバレッジなしでFXを始める手順
ポジションの長期保有を前提として「レバレッジなし」のFXを始めるのもお勧めです。
選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?
4つの手順でレバレッジなしのトレード
実際にレバレッジなしでの長期運用を考えている場合は下記の4つの手順がオススメです。
- スプレッドが狭いFX口座と必要な証拠金の用意
- 相対的に高金利の通貨がある通貨ペアを選択
- 長期トレンドを確認して高金利通貨を安く買う
- 長期トレンドが反転してきたら利益確定
この時、分かりやすい通貨ペアはドル円となります。
なぜなら、為替自体のアップダウンが少なく、アメリカの情報や国策も身近であるからです。
反対にオーストラリアやトルコのような新興国通貨は高金利ではあるものの値動きが大きいので初心者には向かないと言えます。
ですが、リーマンショック前は高金利で有名だったので、退職金をすべて投資してレバレッジなしで運用した人が続出しました。(スワップ狙い)
但し、リーマンショックによって相場が大暴落したので、結果的に為替による損失が多くなって撤退した人もたくさんいたのです…
低リスクで長期投資したい人におすすめ
日々の値動きに振り回されたくない人はレバレッジなしのFXが向いています。
なぜなら、長期であれば為替レートの動きをあまり気にせず、外貨預金の感覚でお金を増やしていくことが出来るからです。
直接の利益を狙って売買する方法と比べて地味ですが、初心者でも低リスクの上に年利回りで定期預金を大きく上回る結果になりやすいメリットがあります。
スワップポイントによって外貨の高金利を活かせるので、一度検討してみることをおすすめします。
但し、為替の変動を考慮した上で始めるようにして下さい。
それでなければリーマンショックで損失を出した人と同じことになってしまうので…
FXはレバレッジなしでも稼げるの?まとめ
FXはレバレッジの印象が強いですが、必ずしもレバレッジをかけなくても問題ありません。
それでいて稼ぐことも可能になるので、トレード初心者は無理してレバレッジをかけない方がいいでしょう。
但し、レバレッジなしだとどうしても長期的な運用になってしまい、その利益もレバレッジありと比較すると少なくなってしまいます。
ですので、レバレッジなしの場合はそもそもの目的を変えて運用することをお勧めします。
長期用と短期用で口座を分けてもいいかもしれませんね!