FXを始めたばかりの初心者にありがちなのが、ロスカットと損切りの間違った認識。
ただ、認識が違うからといって損失に繋がるわけではありませんが、個人的にはその小さなボタンの掛け違いが大きな損失に繋がると思っています。
それに、一つ一つの理解を曖昧にしてしまうことで、自然とそれがトレードにも出てしまう可能性があるので注意が必要でしょう。
ですので、今回のテーマである『ロスカットと損切りの違い』について間違った理解をしている方は正しい知識をインストールしてください。
トレーダーとして利益を上げていく為にも重要ですからね。
FXのロスカットとは何か?
FXの世界では、FX会社による強制的な決済のことをロスカットと呼びます。
その『ロスカット』について今から理解を深めていきましょう!
なぜロスカット(強制決済)があるのか?
資産が一定の割合を下回ると、その資産を守るためにロスカット(強制決済)が発動します。
基本的にロスカットは損失が膨らんで資産が少なくなると自動的に行われるのですが、その割合(資産残高のパーセンテージ)はFX会社によって違ってきます。
ロスカットが自動的に行われる理由としても、これは投資家の資産を守るためであり、再起が可能な状態を保つ為に他なりません。
ですが、ロスカットを経験した人であれば「ロスカットされなければまた戻ったのに…」と思うかもしれませんが、FX会社の意図としては損失が膨らんで資産を全て失わない為の緊急措置なので仕方が無いと言えるでしょう。
むしろ、この制度があるからこそ再びトレードを稼働することが可能であり、そこから再起することも出来るのです。
ですので、ロスカットという仕組み自体を批判するのではなく、ロスカットになるまで損切りしなかった自分を批判するようにして下さい。
※日本の法律でロスカットが義務づけられているので、国内のFX会社なら必ず備わっている機能です。
ロスカットと証拠金維持率について
強制的な決済としてのロスカットは証拠金維持率が基準となっており、意味としては以下の通りです。
- 有効証拠金…含み損益を反映させた口座残高
- 必要証拠金…通貨ペアでポジションを建てる際に最低限必要の金額
それぞれの証拠金維持率に関してはトレード口座の画面で見ることが出来ますが、ポジション変動や為替変動によって数値は変化してきます。
高いレバレッジで運用した状態で相場が急騰・急落するとロスカットになる可能性が一気に高くなるので注意して下さい。
FXの損切りとは何か?
ロスカットが強制決済であるのに対して損切りは自分で損失を決済させることを指します。
どちらも同じように決済してポジションを整理しますが、それが強制的か自発的かの違いということですね。
しかし、言葉以上に精神的なダメージは違うので、ロスカットと損切りは全く別物だと思ってもいいかもしれません。
ロスカットと損切りの違い
損切りとは、投資家が自らの意思で注文した指定の為替レートで実行される逆指値注文のことです。
一方、ロスカットはFX会社が顧客の資産の危険をシステム的に検知して、より大きな損失を防ぐために強制的な決済に踏み切ることになります。
後者のロスカットは、本来ならば顧客の承諾に基づくべきですが、為替相場の値動きでは瞬間的に対応しなければ手遅れになる可能性もあるので、このように自動化されています。
このことからも「損切り」と「ロスカット」は言葉こそ似ていますが、実態は全く別物であると言えるでしょう。
FXでのロスカット判断
ロスカットがいつ実行されるのかはFX会社によって違います。
ここではそれぞれのFX会社が決めるロスカット基準についてみていきたいと思います!
ロスカットの基準
一般的なロスカットの水準は証拠金維持率50%~100%です。
しかし、FX会社によって30%だったり25%もあるので、ロスカット水準が低いFX会社がいい場合は探してみるのもいいかもしれません。
但し、その水準が高い場合はすぐにロスカットになってしまうし、逆に低くても瞬間的な急騰・急落に対応できずに残高がマイナスになる危険があるので注意して下さい。
マージンコール(追加証拠金)
ロスカットになる前にはマージンコール(追加証拠金)という連絡が届きます。
マージンコールを一言で表すなら、FX会社からの「もうすぐロスカットになりますよ」というお知らせです。
スマホのメールなどを連絡先にしておくと、いつどこにいてもロスカットが迫っている事実を掴めます。
ただし、為替相場が急変動した場合にはマージンコールを越えてロスカットの連絡があるので、ハイレバレッジで取引する際は注意して下さい。
FXで注意すべきロスカット水準
自分がポジションを持てる幅が分かると、FXのトレードが大きく変わります。
なぜなら、仮に含み損を抱えたとしてもどこまで耐えられるのかが分かれば精神的にも楽になるからです。
ですので、具体的なロスカット水準を把握してトレードに活かしていきましょう!
含み損がロスカットを誘発
【例】資産10万円、レバレッジ25倍、1万通貨のポジション
ドル円99.00の売りで100pips逆行された場合
- 必要証拠金:100円×1万通貨÷25倍=4万円
- 有効証拠金:10万円-1万円=9万円
- 証拠金維持率:9万円÷4万円×100=225%
ここさらに400pips逆行されるとほぼロスカットの水準です。
必要証拠金:104円×1万通貨÷25倍=4.16万円
有効証拠金:10万円-5万円=5万円
証拠金維持率:5万円÷4.16万円×100=約120%
上記の計算結果から資産が半減していることが読み取れます。
自分のポジションが全て消える
ロスカットになった場合はその口座が保有している全ポジション及び全ての注文がなくなります。
たとえば、含み益になっているポジションと大損をしているポジションの2つがあった場合はどちらも強制的に決済されるイメージです。
具体的なロスカットの判断基準と処理は各FX会社によって異なりますが、いずれにせよロスカットは管理能力の低さを物語っているので、もしロスカットされたらトレード方法を改めるべきでしょう。
FXでのロスカットと損切りの違いまとめ
ロスカットと損切りは同じ言葉で使うトレーダーもいますが、その本質は全く別物です。
それに、ロスカットは経済的にも苦しいですが精神的にもかなり苦しみます…
実際、過去の私もロスカットを2.3回経験しており、金額としては数百万円の損失をして経済的にも精神的にもかなり追い込まれました。
ですので、ロスカットや損切りの意味だけでなく、実際のトレードでもそれらを意識して実行できるまでに落とし込んでください。
FXで資産を増やしていくためにも!