FXを始める際に悩むのが「裁量トレード」か「自動売買システム」かのどちらかです。
どちらもメリット・デメリットがありますが、その時間や費用対効果を考えた時に、特にFX初心者に人気を集めているのが「自動売買システム」だと言えます。
なぜなら、自動売買システムを使うことでたとえFX初心者だとしてもプロと同じトレードを行えることが出来るからです。
それだけでなく、相場やチャートを逐一チェックする必要がなく、システムが自動で利益を生み出してくれるので人気が集まっています。
しかし、それでいて全ての自動売買システムに利益が出ているのであれば裁量トレードをする必要はありません。
少なからず、自動売買システムにもデメリットが存在しているからこそ、裁量トレードを行う人が一定数存在しており、自動売買システムも様々な種類が存在しているのです。
ですが、そうはいっても正しいロジックを搭載した自動売買システムを稼働するのであれば、それは資産構築を行う上で強い味方になるでしょう。
そこで今回は『正しいFX自動売買システムの見方を徹底解説』をまとめました!
自動売買システムの見方が分からない人や自動売買システムの使用を考えている人はぜひ参考にして下さい!
正しい知識を身に着けて詐欺まがいのシステムに引っ掛からないようにしましょう。
バックテストの信頼性を確認
自動売買システムの信頼性を確認する為には、まずバックテストの公開の有無をチェックするべきです。
そしてそのバックテストの結果を一つの判断基準として使用有無を決めていきましょう。
FXのバックテストとは?
自動売買の判断基準となるバックテストは過去の値動きによる成績を出しています。
いわゆる過去検証でその自動売買システムがどれだけのパフォーマンスを発揮できるのかを確認しているということです。
ですので、バックテストが存在しない場合は購入もしくは使用することを辞めておくべきと言えます。
- 本当に勝てるのか?
- 勝てる可能性があるのか?
こうした重要な部分が不透明な自動売買システムを使うことはギャンブルに等しいので気を付けてください。
見方:全ティックのテストを選択
バックテストには下記の3つがあります。
- 全ティックによるテスト
- コントロールポイントによる基本的なテスト
- 始値だけで行う最も簡易的なテスト
それぞれ違いがありますが、“確実性が高い”という意味では1番のバックテストを完了した自動売買システムがおすすめとなります。
ですので、2番と3番は1番の全ティックより曖昧なので、そこをバックテストしてある場合は注意が必要でしょう。
ヒストリカルデータに注目
システム制作者は販売者の声を鵜呑みにするのではなく、自動売買システムのバックテストデータをもとにして優劣の判断を心掛けるようにして下さい。
単純に相手の声だけを信じてもそれが本当かどうかは分からないので…
FXの過去データにも品質がある
設定しておくだけで完了する自動売買システムは、ヒストリカルデータと呼ばれている過去データを参考にしています。
ですので、システム開発者が「このEAはこんなに素晴らしい成績ですよ」と主張したとしても、ヒストリカルデータが劣悪だと全ての前提が覆ってしまうので注意が必要です。
例えば、月利10%を安定して叩き出しているシステムがあっても、ヒストリカルデータが悪いと実際に運用したらボロボロの結果になります。
「実際の値動きと乖離しているデータは百害あって一利なし」ということを覚えておいてください。
見方:モデリング品質でデータを確認
バックテストのモデリング品質を見て99.9%であるEAを選びましょう。
また、高品質を保つ為にもTDS(Tick Data Suite)という有料のヒストリカルデータを使っていることが理想的です。
※TDSはバックテストの時に実際の為替相場と同じようにスプレッドが変動するため、かなり正確な結果になるので信頼性があります。
プロフィットファクターを確認しよう
自動売買システムのプロフィットファクターは利益の割合を表す数字です。
ここの数値は大きな判断材料になるのでしっかりとチェックしてくださいね!
見方:利益の割合をチェック可能
プロフィットファクターは自動売買システムのパフォーマンス状況を表した数値になります。
(その自動売買システムを稼働させた場合に利益が損失の何倍であるのかが分かる)
◆プロフィットファクターの計算式
利益の合計÷損失の合計
利益の合計が先にきていることから、システムのパフォーマンスとしてはこの数字が高いほど優秀であると言えます。
利益が損失よりも大きくなる確率が高ければ、資産がゆっくりと増えていくと言えるのです。
見方:プロフィットファクターの数値
良好なラインは1.6以上で、それを下回るものは候補から除外するべきです。
ベストは2.0以上のため、実際にEAを買う時の選定で重視してみましょう。
また、FXは必要に応じて損切りもこなすので、1回の利益が大きい又は勝率が高いことにはお金を払うだけの価値があります。
但し、それだけで判断すると失敗の原因になるので注意して下さい。
要注意の最大ドローダウンについて
一時的にどれだけ資産が目減りするのかは、最大ドローダウンで分かります。
そしてこの数値が悪ければロスカットになる可能性があるので、必ず意識するようにして下さい。
最大ドローダウンのパーセンテージ
バックテストで示されている最大ドローダウンの他にも
- 初期資金
- ロット数
こちらの2つも確認しておきましょう。
なぜなら、EAの初期資金とロット数を変えることで結果を操作できるからです。
同じEAであれば最大ドローダウンも変わらないので、高額の資金を用意したりロットを下げれば最大ドローダウンを示すパーセンテージを小さく見せることが出来ます。
そうすることで「リスクが少ない」と勘違いさせることが出来てしまうので、そういった情報操作に騙されない為にも、これらをしっかりと確認することが求められます。
◆優秀な数値
- 100万円の初期資金
- 1Lot
- 最大ドローダウン8%
しかし、中にはバックテストのロット数が分かりにくいEAもあるので、その場合には必ず開発者に問い合わせるようにして下さい。
FX業界のスタンダードとしても、100万円の初期資金と0.1Lotでバックテストを行うのが主流ですので、もし資金やロットが違うようであれば何かしらの問題があるかもしれません。
最大ドローダウンが小さい方がリスクも低くなるので、そういった部分を判断材料にするといいでしょう。
バックテストの実行期間と取引回数
長期間のヒストリカルデータを使うだけではまだ不十分だと言えます。
なぜなら、実行期間と取引回数が短ければ長期的に勝てるかは分からないからです。
ですので、自動売買システムはバックテストの実行期間と取引回数にも目を向けるようにして下さい。
テストが多いほど信用できる
EAのバックテストは、“より長くより多くの取引”をしていることが大切になります。
その理由としては、為替相場は年単位で値幅や動きが大きく変わるので、1年ぐらいの短期のバックテストでは判断できないからです。
ですが、悪質なEAの中にはわざと短期間のバックテストで低パフォーマンスを誤魔化している物もあります。
本来であればロスカットしているはずが、そのロスカット時期を上手く区切ることで隠していることさえあるのです。
また、取引の回数が少ない場合にも、想定外の地合いになりやすいので注意して下さい。
見方:実行期間と取引回数
バックテストは過去15年間以上で取引回数1,500回以上がベターです。
それぐらい検証してデータを収集していれば、洗練されたEAの可能性が高くなります。
自動売買システムは相場によって資産が急落するハズレもたくさんあるので、こうした部分にも目を向けて十分に吟味するようにして下さい。
正しいFX自動売買システムの見方を徹底解説まとめ
自動売買システムのバックテストデータは専門用語が多いのでFX初心者はよし悪しの判断が難しいかもしれません。
しかし、一つ一つ掘り下げて確認していくことでシステムの特徴や実績が明確になるので、もしあなたが自動売買システムを活用するのであればしっかりと見るようにして下さい。
大切な資産を失わない為にもシステムの優位性を見ることが大事ですからね。
それでは最後に自動売買システムの見方をまとめたので、使用を考えている人は最低限でもここを抑えておいてください。
- 見方①:全ティックのテストになっている
- 見方②:バックテストのモデリング品質が99.9%以上(TDSが理想)
- 見方③:プロフィットファクターが1.6以上(2.0以上が理想)
- 見方④:最大ドローダウンが8%以下(初期資金100万円、0.1Lot)
- 見方⑤:過去15年間以上で取引回数1,500回以上のバックテスト
※すべての条件を満たしているからといって必ずしも勝てるわけでは無いのでご注意下さい。