FXの口座開設は「国内口座」か「海外口座」の2つのパターンがあります。
国内口座だとレバレッジ25倍になりますが、日本という安心感があり税制的な部分も海外口座とは違います。
反対に海外だとレバレッジは500倍以上が多く、ゼロカットシステムもあるので日本口座とは違いがあります。
それぞれ違いがありますが、特に大きく違うのが「ゼロカットシステム」です。
ここが大きく違う点であり、ユーザーにとってはメリットにもなりますが、その意味を理解していない人もたくさんいます。
そこで今回は『FXゼロカットシステムの罠』をまとめることにしました!
FX初心者や海外口座でのトレードを考えている人は、ぜひ最後まで読み進めてゼロカットシステムの理解を深めて下さい。
ゼロカットシステムの仕組みと特徴
口座がマイナスになっても、ゼロカットがあれば自動的に損失が消えます。
投資家にとって資金がマイナスにならないので、大きなメリットとなるでしょう。
では、その仕組みと特徴についてお話ししていきます。
海外FXにはゼロカットがある
別の国に営業所などがある海外FXのゼロカットは、国内FX会社のロスカットとは全く違う制度です。
リーマンショックといった相場の急変動でも、ポジションによる負債ができても、ゼロカットなら業者側の処理で「0」に戻ります。
いわゆる、口座に発生した借金を帳消しにしてくれる仕組みです。
それに対して、国内FX会社のロスカットでは、業者のシステムが強制的な損切りを行うまでに大きな借金ができてしまう恐れがあります。
マイナー通貨ほど発動しやすい
ドル円などの主要な通貨の取引とは異なり、売買が少ないトルコリラといったマイナー通貨ではロスカットが遅れる傾向にあります。
なぜなら、反対売買をする相手を見つけにくいからです。
この場合でも、ゼロカットがあればロスカットの遅延による口座のマイナスを失くせます。
ゼロカットシステムに“罠”はあるのか?
海外FX会社では顧客と業者の利益が一致していることが多いです。
だからこそ、ゼロカットシステムを導入して顧客に利益を出してもらおうとしています。
ゼロカットシステムは顧客利益優先
大半の海外FX会社がゼロカットを導入しているのは、顧客の取引による手数料収入が主な利益になっているからです。
一方、国内FX会社はいったん業者のシステムで引き取ったうえで、インターバンクという為替市場に注文を流しています。
したがって、国内FX会社では顧客の損失がそのまま利益になっている構図です。
海外FXならではのNDD方式
基本的に海外FXはNDD方式を採用しています。
そのため、システムで待ったをかけることなく、顧客の注文はインターバンク市場にダイレクトで通っているのです。
この場合には、顧客が取引の度に支払う手数料が多いほど嬉しく、より多くのトレードを推奨する目的でゼロカットシステムを備えています。
ゼロカットシステムが国内口座にない理由
国内FX会社にゼロカットシステムが導入されない理由は、以下の2点になります。
FX会社の負担が大きくなるから
1つ目の理由は、FX会社の利益が削られてしまうからです。
マイナスの口座が出たらその都度の補填が必要になってしまい、国内FX会社がわざわざ導入しても旨味がありません。
急激な変動が日常的に発生する為替相場でゼロカットシステムを採用することには、業者の目線で大きなリスクが伴います。
日本の法律で禁止されているから
2つ目の理由は、日本の金融商品取引法で「特定の顧客に損失補填をすることを禁じている」からです。
これは不正な取引を防ぐのと同時に、国内FX会社の利益を守る措置でもあります。
海外と日本の考え方の違いとも言えるので、こればかりはそう簡単に変えられません。
ゼロカットシステムの注意点
安心のゼロカットシステムですが、投資家としてのリスク管理が欠かせません。
ですので、必ずリスク管理を意識することを忘れないようにして下さい。
分別管理をしている海外FXは安心
大手の海外FX会社は大きなイベントの前に一時的なレバレッジ制限をかけています。
さらに、信託保全や分別管理のおかげで、倒産しても顧客の資産が守られる仕組みが目立っているのです。
客観的な信用の目安である格付けでも、大手の海外FX会社は信頼できる銀行に分別管理をしています。
信頼できない海外FX会社は選ばない
よく分からない海外FX会社はそもそも信頼性が不明です。
中には詐欺業者も交じっているため、リアルトレードの際は注意しましょう。
WEBサイトだけでやり取りする海外FX会社においては、事前の調査がとても大切です。
FX海外口座で禁止されている内容
原則的に海外FX会社のゼロカットシステムを利用した両建てはできません。
禁止事項を行うと口座凍結される可能性もあるので気を付けて下さい。
注意①:ゼロカットによる両建ては原則禁止
口座がマイナスになってもリセットされるのであれば、「買いと売りをハイレバレッジで同じだけ持ち、大損したほうはゼロカットで対処しよう」と考えがちです。
しかし、それでは海外FX会社にだけ負債を押しつける形になってしまうため、原則的に禁止されています。
同一の口座でゼロカットを利用した両建てをしても、プラスマイナスで打ち消し合う処理です。
ゼロカットが発動せず投資家の利益にはなりません。
注意②:別の海外FX会社との両建てもバレる
違う海外FX会社で結果的に両建てになるポジションを建てることも、やはり禁止になっています。
「別の業者ならバレないのでは?」と考える方もいます。
しかし、ゼロカットで自分だけ負担を押しつけられるのは嫌なので、海外FX会社同士で監視し合っている状況です。
違反すると口座の凍結、売買の結果のリセットなど、厳しい処置が取られます。
ハイレバレッジとゼロカットシステムは相性が良い
ハイレバレッジのFXにこそ、安全装置のゼロカットが必要です。
上手く利用すれば資産を増やす大きな手助けとなるでしょう。
レバレッジ100倍以上が当たり前の海外
海外FXのレバレッジ400倍ではたった10万円で25万通貨を売買して、100pipsで25万円が増減するトレードを行えます。
レバレッジ25倍の国内FXでは2万通貨による2万円の増減になるので、まさに桁違いです。
だからこそ、どの海外FX会社も基本的にゼロカットを導入しています。
国内FXにもリスクはある
前述した数字では、一見すると国内FX会社のほうが安全に見えます。
けれども、システムの処理が間に合わないほどの値動きでは、ゼロカットによる救済措置がなく、大きな借金を抱えてしまう恐れがある環境です。
国内FX会社で口座がマイナスになったら、その分は返済する必要があります。
ここが大きな違いですね。
FXゼロカットシステムの罠まとめ
国内口座と海外口座の違いでも大きいのが「ゼロカットシステム」の存在です。
投資家にとって“資産以上の損失が無い”というのは大きなメリットだと言えます。
しかし、それだけで判断するのであれば時期尚早だといえるので、他のメリットとデメリットを比較してどの口座を使用するか判断して下さい。
また、海外口座を使用する場合でも、その中には詐欺業者もたくさんあります。
スプレッド(手数料)が異常に高かったり、出金できなかったり、トラブルが絶えないのでマイナーな海外口座を使用する場合は注意が必要です。
自分の資産を守るのはトレードだけではないので、口座管理からリスク管理を行うようにして下さい。